pop-up café archive – 1998 cafe series
バブル崩壊を経ても、なお休むことなく怒涛のように流れ続ける消費社会の周縁で、人と人とが自由に繋がるような場を持つことは可能か。1998年の東京でそうしたことを考えていたメンバーによってこのプロジェクトは始まった。
当時まだ新しかった「カフェ」「サロン」といったキーワードをコンセプトに取り入れつつ、一ヶ所に留まらず、移動し続けながら「仮設」の場を作り続けることを実験的に試み、1998年から2000年にかけて、都心部の各地を1周するかたちで、計5つのカフェシリーズを展開した。
不定期に、東京のそこかしこで、突然一つの白いテントが立ち上がり(pop-up!)、そこに映像や音楽、表現、食事が供される。近隣の住人が犬の散歩がてら立ち寄る、初夏の多摩川河川敷や、消滅しようとしていた東大駒場キャンパス学生寮の屋上、
当時、段ボールハウスが林立していた隅田川沿いの向島、「Art-Link上野・谷中」開催期間中の、古い銭湯を改装したギャラリーなど、それぞれ異なる場所で、それぞれの置かれた環境と共鳴しながら、その時だけのコミュニティが立ち現れ、人と人がつながる場となった。
企画にあたっては、アーティスト、建築家、エンジニアなど、様々なバックグラウンドを持ち、また言語や文化的出自も異なる10人のメンバーが集まり、それぞれの要素を持ち寄り融合させた空間・イベントを立ち上げて、参加する人々と共有した。
30 May 1998 30 MayBank of the Tama River, 多摩川河岸
19 July 1998 Transit City Mukojima / Sumida Culture Factory, 東向島
5 Sep 1998 OBSCURE / Komaba dormitory of Tokyo University, 東京大学駒場寮屋上
3 Oct 1998 Art-Link Ueno-Yanaka / SCAI THE BATHHOUSE, 上野・谷中
7-9 Oct 1999 Vision plus 7 / Tama Art University Kaminoge, 多摩美術大学
Members
Taiga ABE (JP), Nobuaki DOI (JP), Christian GROU (UK/DE), Ismail Gihangir ISTEK (TUR), Asako IWAMA (JP/DE), Yoshiko MORITA (JP), Kiyoko NAKAJIMA (JP), Seiji OHBA (JP), Titus SPREE (DE), Yayoi YAMASHIRO (JP)
阿部大雅, 土井伸朗, クリスチャン・グロウ(UK/DE), イスマイル・ジハンギリ・イステッキ(TUR), 岩間朝子(JP/DE), 森田祥子, 中島希予子, 大場誠士, ティートス・スプリー(DE), 山城弥生
Vision plus 7 / Tama Art University Kaminoge, 7-9 Oct 1999
多摩美術大学
OBSCURE / Komaba dormitory of Tokyo University, 5 Sep 1998
東京大学駒場寮屋上
Transit City Mukojima / Sumida Culture Factory, 19 July 1998
東向島
Bank of the Tama River, 30 May 1998
多摩川河岸